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[詳説] 千里川土手 撮影ガイド

大阪国際空港(伊丹空港)の滑走路南端「千里川土手」の撮影ガイドです。

(2017/10/10 駐車場、速度や寸法などを加筆修正しました)

(2019/9/24 マナーの文言を修正しました)

 

はじめに、これだけは言わせてください。

マナーを守ってください

 

千里川土手は撮影のために作られた場所ではありません。
地元の生活道路です。マナーを守ってください。
この場所は人と飛行機がとても近い奇跡の様な場所で、沢山の人々に愛されています。
お互いに楽しく過ごせるようにしたいですね。

~最低限守って頂きたいマナー~

「ゴミは持ち帰る」

ゴミ箱、トイレ、自販機などはありません。もちろん清掃員などいません。
強風でゴミが滑走路に飛ばされて、エンジンに吸い込まれたらどうなるでしょうか?

「一般の方に迷惑をかけない」

撮影目的ではない方も大勢いらっしゃいます。

「周りの撮影者に配慮する」

三脚を使う撮影者が多いですが、いい場所を独り占めしていませんか?
特に滑走路側で高い脚立に乗るのは避けるべきです。

「エアバンドはイヤホンで聞く」

”通信の秘密を公開してはいけない”と法律で定められていますのでイヤホンで聴いてください

エアバンドを垂れ流ししていると、動画撮影している人にも大きな迷惑がかかります。
折角録ったのに、周りのエアバンドのせいで公開できなくなります。
動画用のマイクは超広角レンズで写る範囲の音が明瞭に録れたりします。

「飛行機に向かってフラッシュを焚かない」

周りの迷惑になるので、止めて下さい。
フラッシュを焚かれると台無しになる撮影をされている方もいます

動画にもフラッシュ焚いているのがハッキリ映ります

千里川土手で皆さんが撮影し続けれる様に。

「迷惑駐車をしない」

千里川土手周辺の道路は駐車禁止です。
駐車場が空いていなかったからと言って、路上駐車して撮影するのはやめてください。
近隣の方々に多大なる迷惑をかけてしまいます。

土日祝日は人出が多いので、公共機関の利用がお勧めです。
タクシーなら原田大橋で降車。徒歩なら阪急曽根駅から約20分。
個人的には阪急の曽根、岡町、豊中駅で電動レンタサイクルがお勧めです。
JR伊丹駅にもレンタサイクルがあります。ただし、電動はありません。

(ご参考) 付近の主な駐車場

オリックスパーキングスポット千里川土手
タイムズ豊中勝部1丁目
タイムズ豊中勝部1丁目第2

撮影させて頂いているという感謝の心を忘れずに
マナーを守って楽しく撮影しましょう。

以上です。

 

では、前置きはここまでにして、僕なりの具体的な解説です。

伊丹空港撮影ガイド(千里川土手編)

~伊丹空港について~

伊丹空港は国内線のみ運航、そして協定により双発ジェット機までしか営業運航できません。
(Boeing 777-300ERが最大です)そして、21:00以降は離着陸できません。(遅刻には厳しいです)

通常、南東(大阪の市街地方面)から着陸し、北西(山の方)に向かい離陸します。
めったにありませんが、南風がとても強い場合、逆向きに運用されることがあります(14:ワンフォー)

大型機・中型機はB滑走路(32L)を使います。
通常W2から離陸しますが、まれにW1から離陸するときもあります。
(ジェット機:Boeing 787、777、767、737、AIRBUS A320)

小型機は主にA滑走路(32R)を使いますが、B滑走路を使うときも、たまにあります。
(プロペラ機:ボンバルディアDHC-Q400、天草エアラインみぞか号、サーブ / 小型ジェット機:CRJ、エンブラエル)

~千里川土手という場所~

千里川土手は滑走路に沿って流れる千里川の堤防上の道路です。舗装はされておらず、表面は土です。
上空10数メートル程度の低空を時速250kmといったスピードで通過します。
大型機通過時に巻き起こる風は、帽子はもちろん自転車や三脚を吹き飛ばす勢いがあります。
レンズ交換は砂まみれになることがあるので、タイミングは要注意です。
滑走路に近い方が北側です。南側の方が少し高くなっていて見通しが良くなっています。

~千里川土手の主な寸法と距離~

googleマップ上で計測しました。

・川幅(センター部のフェンス間):約25m
・北側の上部の幅:約7m
・北側の崖の下の幅(フェンス際まで):約3.5m
・南側の幅:約8
・正面のB滑走路の幅:60m

(北側の上部先端から計って)
・手前の誘導灯:約15m
・その奥の誘導灯:約45m
・W2:約500m
・着陸点:約700m
※南側からの距離は約30m足して考えてください。

・対面の山まで(大宝塚ゴルフクラブ):約13km
(※写真右上に見えるナイター設備)

~着陸機の速度と全長~

川幅 25m、南端~北端のフェンス間 40m強。飛行機の長さは最大で73.9m。
それを前提に川に対してどの程度の大きさなのか想像してください。

そして、時速250kmとして、秒速約70m。(※全て同じとは限りません)
川の上空に飛行機が位置する時間はせいぜい「1秒程度」です。

<大型機>
Boeing 777-300          73.9m
Boeing 777-200          63.7m

<中型機>
Boeing 787-9               62.8m
Boeing 787-8               56.7m
Boeing 767-300           54.9m

<小型機>
Boeing 737-800           39.5m
Boeing 737-500           31.0m
エンブラエル 190           36.2m
エンブラエル 170           36.2m
ボンバルディア CRJ200 26.8m

<プロペラ機>
ボンバルディア DHC8-Q400 32.8m
サーブ340B                     19.7m
ATR42-600(みぞか号)22.7m

~撮影ポイント~

図示したポイントから撮れる画を例として、いくつかの動画を参考にして説明します。
動画撮影だけでなく、写真撮影の参考にもなるはずです。
まずはこれをご覧ください。

動画の前半部分が南側からの撮影です。
最初の約180°パン(カメラで追いかける)撮影をしているシーンは中心線からそれなりに離れています。
側面から撮影する場合、羽の先端より内側からでは近すぎます。

”どれくらい離れたかは、滑走路を見て確認する”

メインのB滑走路は幅60mなので外側のラインが真っ直ぐに見える位置で30m離れています。
撮りたい画にもよりますが、その倍くらいは離れた方が良いのではないかと思います。
撮ってみて気に入らなければ寄ったり離れたりして調整すればいいのです。
一番大きな Boeing 777-300 を真横から撮るなら、35mm標準レンズでは、中心から60m離れてもはみ出します。

動画の後半部分の「人と飛行機を絡めたシーン」は北側からの撮影ですが
この手の撮影をするときに必ず守らなければならないことがあります。

それは

フェンスには絶対に触れない事!

防犯センサーが設置されていますので、触れると警備の方が飛んでこられます。
場合によっては空港の運用にまで重大な迷惑をかけることもありますので厳守してください。

 

 

これは夕方から夜にかけて、北側で撮影したものです。
最初のシーンの場所はとても狭いので譲り合ってくださいね。

 

「東側の開けている場所」は夕景に最適です。
これは6月なので谷間に日が落ちていますが、冬はもっと左の方に日が落ちますし、太陽高度も違います。

 

 

スマホだとスローモーション撮影が出来るのでこんなのも撮れます。(ビデオ三脚使用)

以上です。

これを参考に、どんな感じの画が撮れるか想像して、自分らしい写真や動画を撮ってみてください。

僕は大した腕ではないですが、千里川土手が大好きです。
この記事を読んで千里川土手に来たくなる方がいらっしゃればとても嬉しいです。
飛行機好きなら一度は千里川土手へ。きっと病みつきになりますよ。

[詳説] 千里川土手 撮影ガイド”への2件のコメント

  1. はじめて千里側土手に行きました。オタクのような子がいてメガホンで18時以降は離発着の向きが変わりますとメガホン持って行っていましたが、あれは時間によって変わるのですか?それともその時の風向きとか?頭の真上を、通過していくド迫力に感動、着陸の方が迫力ありますね?時間によって変わるのならあの土手から着陸する時間にもう一度行きたいですがやはり風向きでしょうか?ではあのオタクの子はどうやってこの日、18時以降が向きが変わると分かったのでしょう

    1. コメントありがとうございます
      逆方向への離着陸に遭遇されたのですね
      それはとてもラッキーな事なんですよ
      離発着の向きは風の影響で変わります
      具体的には南から強い追い風が吹いている時に逆方向に離着陸の向きを変える事があります
      追い風では揚力が得にくいからです
      逆方向だと豊中の街で聴こえる騒音がとても大きくなるので、可能な限り逆方向への離陸はしないです
      着陸も操縦がとても難しくなります
      なので、年に数回くらいのレアな事なのです
      その決定は管制塔が行なってますが、無線で発信してますから、それを聞く無線機があれば、方向を変えるという事も分かります
      ド迫力の光景は、あの場所の日常です
      天候が安定している日なら、いつでもあんな感じですよ(^^)

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