快晴の青空って美しいですよね
白っぽく、どんよりした空だと、飛行機も映えませんね
快晴の日は空が明るいんでしょうか?
いいえ、
「快晴の空は暗い」です
曇っている空の方がずっと明るいのです
僕は大学で建築環境工学(音・熱・光)を学びました。その知識を映像や写真に活かしています。
今回は光に限ってお話ししますが、居室の明るさは計算に基づいて設計します
日本の建築に関する法律「建築基準法」もその計算法を前提に作られています
「適当に勘で作ったら、部屋が暗すぎました。ごめんなさい。」
なんて、許されるはずがないですよね
前置きはさておき、本題の青空の色の話をしようと思います
基本的な話として、ひとえに日光と言っても実は2種類あります
「直射日光」と「天空光」です
「直射日光」は太陽の光そのものです
レンズを通して、太陽を覗いたら眼が焼焦げます
とても危険なので良い子はやっちゃダメですよ(笑)
「天空光」とは、太陽以外の部分
晴れていたら青いところ(つまり空)です
建築設計に用いる天空光の明るさには「全天空照度」というものを使います
先人達が何度も実際に測定した結果をもとに、この数値で設計しましょうと決めたものです
特に明るい日:50,000lx
明るい日:30,000lx
普通の日:15,000lx
暗い日:5,000lx
快晴の青空:10,000lx
意外に思われるかもしれませんが、快晴の青空の方が普通の日(薄曇り)よりも随分暗いです
快晴だと日光が拡散せずに、直射日光として届きます。なので、天空光は薄曇りの日より暗いのです
真っ青な快晴の空というのは、(明度の低い)深い青であって、決して(色が)濃い青ではありません
背景の空が暗くて、被写体に直射日光が当たっている状況は明暗の差(コントラスト)が大きいためくっきり見えます
薄曇りの明るい日は、空が明るいので白っぽく、被写体も明るいので明暗の差が小さい(コントラストが低い)のです
(ご参考)
人間は物を見るとき何かに反射した光を感じています。その反射した光の強さを照度と言います。照度の単位は lx (ルクス)です。
太陽や灯火などの、光源そのものが発する光の強さは光度と言います。単位はcd(カンデラ)です。
照度は照らされた明るさですから、光源から遠ざかるにつれて落ちていきます。
光源からの距離が2倍になれば照度は半分ではなく、4分の1になります。(距離の2乗に反比例)