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夜景のRAW現像の考え方と手順

僕は写真の専門家でもない、ただのアマチュアなので、あくまで夜景のRAW現像についての個人的な考えとその手順の記録です。

旅先なので、マンフロットのミニ三脚を支柱に乗せて手で支えながら撮影しました。本気の三脚で撮ってみたかったですが。

今回はAdobe Lightroomで、こんな感じに仕上げてみました。
(傾きとかノイズやシャープの処理は割砕)

イメージは「長崎駅周辺の市街地が(派手すぎず、現実味がある範囲で)煌びやかに輝きを放っている」

イメージを言葉にしてから、そのように現像することは大事だと思います。現像の目的を忘れて手段に囚われないようにしたいので。

長崎駅周辺の夜景(Nikon D5300 / SIGMA 17-50mm F2.8 / ISO 640 f/10 0.6s 50mm)

 

元の状態はこんな感じです。

元のJpeg撮って出し(リサイズ済)

 

【今回の現像手順】

夜景は被写体のコントラストが元々高いので、昼間と同じように撮ると、簡単に白トビ&黒つぶれが起こります。 ヒストグラムを見ると、細く高い山が左の壁に張り付いている状態です。 一眼のセンサーの能力は人間の目くらいのダイナミックレンジはあるらしいです。やはり、センサーの捉えた階調はちゃんと活かさないと勿体無いと思います。 その為に有効に利用されていない本来の階調を静止画で表現できる階調の範囲(ヒストグラムの左から右までの範囲)にバランス良く配置するように調整していきます。

 

まず、コントラストを最大限下げます。これで本来の階調情報がほとんど引き出せます。一旦眠い画を作り、最後にコントラストを調整する感じです。

 

露出を上げます。全体が明るくなり、ネオンは白トビしました。

 

ハイライトを下げて白トビを防ぎました。画がとても眠くなりますね。そして、ヒストグラムの左の崖がガタガタです。

 

色収差とプロファイル補正を行います。左の崖のガタガタが綺麗になりました。色収差がある状態で露出を上げたので、計算誤差が大きくなっていたのではないでしょうか。

 

ホワイトバランスは特殊な色の光が当たっていない無彩色の部分を基準にする。 今回はネオンが無いビルの壁を選びました。

 

調整結果はこんな感じ。オレンジが濃すぎて目立ちすぎています。レンズの性能の加減も有るかもしれません。パンフォーカス狙いでしたが、絞り過ぎている為、点光源が大きくなっている感じかな。

 

 

彩度を落としコントラストを上げるとこんな感じ。バランスが肝心です。

 

 

そして、雰囲気をどのようにするか考えながら、ハイライトで輝きを微調整したり、手前の住宅地を見せる為にシャドーを微調整したりして出来上がり。 少々の白トビや黒つぶれは演出として必要なら気にせずに調整。ピンク色の部分は白トビしていますが、広告は眩しいので肉眼で詳細は見えないというイメージにしました。

以上です。

 

最終的には感覚の問題なので正解など無いのですが、僕はカメラメーカーが考えた方法(ピクチャースタイル)で現像された撮って出しでは、肉眼と全然雰囲気が違うのは納得いかないし、折角センサーが捉えているデータを無駄にするのはもったいないという気持ちが強いです。

自分の中では、写真も動画もちゃんと画づくりしたいという方向性に違いは無く、その点においてはどちらも同じです。
特にPremiere Pro CCのLumetri は、Lrとほぼ同じパラメーターで調整できますから、写真の現像は動画のカラーグレーディングの練習になります。

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